福島県沖を震源とし最大震度6強を記録した表題の地震に関して、KKEが所有する三次元免震建物(東京都杉並区阿佐ヶ谷南:下写真参照、建設当時のニュースリリース:https://www.kke.co.jp/news/pdf/2007/NewsRelease_3d.pdf)において観測記録が得られましたので報告いたします。
以前にも同様の観測記事を載せているので、過去の観測結果や建物の情報などは以下の記事を参照してください。

観測された加速度波形

代表的な水平方向の観測波として、X(東西)方向の加速度観測波を上からRF・1F・B1Fの順に示します。免震階の下側であるB1Fでは最大で28.8 [cm/s/s]である地震波が、免震階の上側である1Fは最大で12.42 [cm/s/s]に小さくなっています。
昨年の2月13日の福島県沖地震では B1Fでは最大で23.3 [cm/s/s] で、1Fでは最大12.26 [cm/s/s] であったのでわずかに大きい観測値となりました。
鉛直方向の加速度観測波を、水平方向と同様に上からRF・1F・B1Fの順に示します。B1Fでは最大で10.33 [cm/s/s]である地震波が、1Fでは最大で8.77 [cm/s/s]に小さくなっています。

観測加速度波形から絶対変位を求めて、変位計の値と比較する

観測した加速度波形をトリファナック法によって積分して絶対変位波形を求めて、平面オービット図を作成しました(下図)。 免震階の下側の変位は方向毎に1.5 [cm]以下ですが、上部建物の変位は最大で約2.0 [cm]になっています。免震階の上側と下側の変位を重ねると免震装置が水平変形していることがわかります(右下図)。
上記の変位時刻歴と、別に設置されている変位計で直接観測された変位時刻歴を比較してみました(下図)。EW方向は加速度を積分した結果と変形の値が良く一致しています。 NS方向 は位相はよく一致していますが、最大変位が積分した結果と少しずれが生じています。

観測した加速度の応答スペクトル

上記加速度波形の加速度応答スペクトル(減衰定数h=5%)を作成しました(上図:X(東西)方向、下図:鉛直)。水平方向では約1.3秒より短い周期帯では大幅に加速度が低減できており、免震の効果が明確に表れていると考えられます。
上下方向では約0.1秒より短い周期帯で加速度低減が確認できました。

まとめ

今回の観測では鉛直方向にも低減が確認されました。 今後も地震波を観測できたら考察を続けてまいります。

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