Q.RESP-F3Tで多点入力をしたいのですが、方法と注意事項を教えて下さい。
A. 多点入力は強制応答入力として、強制加速度(LoadPrescribedAcceleration)、強制速度(LoadPrescribedVelocity)、強制変位(LoadPrescribedDisplacement)
コマンドにより計算可能です。
コマンド例を示します。
LoadCase 強制応答
LoadPrescribedAcceleration 0層加速度波形 N0000-Fix UX 1.0
LoadPrescribedAcceleration 1層加速度波形 N00-1-Fix UX 1.0
LoadPrescribedAcceleration 2層加速度波形 N00-2-Fix UX 1.0
LoadPrescribedAcceleration 3層加速度波形 N00-3-Fix UX 1.0
LoadPrescribedAcceleration 4層加速度波形 N00-4-Fix UX 1.0
LoadPrescribedAcceleration 5層加速度波形 N00-5-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 0層速度波形 N0000-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 1層速度波形 N00-1-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 2層速度波形 N00-2-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 3層速度波形 N00-3-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 4層速度波形 N00-4-Fix UX 1.0
LoadPrescribedVelocity 5層速度波形 N00-5-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 0層変位波形 N0000-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 1層変位波形 N00-1-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 2層変位波形 N00-2-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 3層変位波形 N00-3-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 4層変位波形 N00-4-Fix UX 1.0
LoadPrescribedDisplacement 5層変位波形 N00-5-Fix UX 1.0
注意点としては以下が挙げられます。
- 強制応答入力のみ行った場合は、出力する応答値は絶対系となります。強制応答入力に加えて地動入力(LoadEarthquake)を行った場合は、地動に対する相対系となります。(下表および解説をご参照ください)
- 変位時刻歴を二階微分して求まる加速度時刻歴は、かなり乱れますので強制変位時刻歴のみを与えると発散しやすい点に注意が必要です。
(解説)
通常、振動方程式は、建物の質点番号 i=1,2, ... に対して mi:質量、ci:減衰係数、ki:剛性、xi : 建物応答とし、x0を地動応答とすると以下の絶対系の振動方程式が成り立ちます。これを、地動を含まない建物応答を評価するために相対系として整理したものが従来よく見られる振動方程式です。地動速度、地動変位に関する項が0となることから、結果的に地動速度、地動変位は意識する必要がなくなります。
一方、多点入力(強制応答入力)の場合には、元々の絶対系の振動方程式に対して、一部の応答を既知数とみなして外力項として考慮します。そのため、基準となる地動応答というものが決められないため、応答は絶対系になります。実際に非線形解析を行う場合には増分形で表現してNewmark法で解を求めることになりますのでもう少し複雑になりますが、詳細についてはRESP-F3Tリファレンスマニュアルをご参照ください。