複素固有値解析結果の妥当性を確認する

速度依存型のダンパーを配した建物において、その効果や影響を確認する方法の1つとして、複素固有値解析があります。複素固有値解析解析により、速度依存型ダンパーを考慮して、建物の固有周期及びモードごとの減衰定数を算出することが可能です。RESP-Dによる複素固有値解析実行方法は以下をご参照ください。【RESP-D 注目機能紹介】複素固有値解析

本記事では、この複素固有値解析結果の妥当性を確認してみます。

検証方法

瞬間的に地動加速度を入力して自由振動させた建物頂部の応答時刻歴に対して、複素固有値解析により求めた固有周期と減衰定数を適用した減衰自由振動の理論式による時刻歴を比較して一致するかどうかを確認します。解析モデルは、高層鉄骨造で短辺方向(Y方向)にオイルダンパーを斜めブレース配置したモデルとします。長辺方向(X方向)にはオイルダンパーの配置はありません。

以下の両者が一致することを確認

・解析結果(減衰自由振動時刻歴)

・理論式による結果(複素固有値解析で求めた固有周期と減衰定数を適用した減衰自由振動時刻歴)

解析モデル

検証結果

固有値解析結果

まずは、実固有周期(減衰考慮無)を確認します。各方向1次固有値は以下のように求まりました。

・X方向 固有周期:1.33s

・Y方向 固有周期:1.47s

複素固有値解析結果

複素固有値解析では各方向1次固有値は以下のように求まりました。オイルダンパーを配置しているY方向において、固有周期が短くなっていることが確認できます。一般的に、減衰を考慮した固有周期は実固有周期に比べて長くなりますが、今回の解析モデルのように、建物のロッキングに効くようなダンパー配置の場合、見かけの剛性が高くなり、結果的に固有周期が短くなることが考えられます。

・X方向 固有周期:1.33s 減衰定数:0.022

・Y方向 固有周期:1.36s 減衰定数:0.124

時刻歴の比較

上記の結果を適用した減衰自由振動の理論式によって求めた減衰自由振動時刻歴と解析結果を比較します。以下の通り、減衰の様子、また、揺れの周期が一致していることが確認できます。

まとめ

複素固有値解析結果の妥当性を減衰自由振動を利用して確認しました。RESP-Dではこのように複素固有値解析が可能であるため、意図した減衰付与となっているか、減衰付与によってどの程度固有周期が変化するか、などの確認が可能です。また、間柱型やシアリンク型のダンパーなどをモデル化した質点系モデルでは精緻な減衰効果を評価しづらい場合がありますが、RESP-Dではそのまま立体モデルによって評価できるため、そのような場合にも有用と考えます。

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