2018年度 建築学会大会(東北)参加報告

先日、2018年度 建築学会大会に参加し、発表・聴講してきました。

発表日が最終日だったこともあり参加は最終日のみとなりましたが、中でも印象に残った発表のひとつが以下の発表でした。

講演番号 20214 「超高層鋼構造建物のねじれ倒壊メカニズム その1:メカニズムの提案」落合寿光(京都大)、荒木慶一

講演番号 20215 「超高層鋼構造建物のねじれ倒壊メカニズム その2:メカニズムの検証」荒木慶一(京都大)、落合寿光

 

詳細は論文をご参照いただきたいと思いますが、趣旨としては「超高層建物で平面形状が正方形でない場合、45度加力時にP-Δ効果の影響でねじれが生じる可能性がある」というものです。メカニズムとしては、P-Δ効果による付加せん断力の合力中心が重心とずれることによって生じる、ということのようです。

なるほど、と思うような説明でしたので、RESPで同様の傾向になるか確認してみました。

 

検証モデル

今回は鉄骨造の50階建てモデルとしました。X方向3スパン、Y方向4スパンとし、断面はRESP-Dの仮定断面機能を用いた初期断面となっています。こちらのモデルに対し、静的荷重漸増解析を行います。

<対象モデル>

 

 

加力方向を設定します。

 

幾何剛性(P-Δ効果)の考慮を設定します。

 

検証結果

検証結果です。

上がP-Δ効果考慮なし、下が考慮ありです。最大層間変形角が1/35を超える程度まで載荷しています。目視ではわかりにくいですが、   確かにねじれが発生しています。

 

<P-Δ考慮なしの平面変位図>

<P-Δ考慮なし(拡大、右上、右下)>

 

<P-Δ考慮あり>

<P-Δ考慮あり(拡大、右上、右下)>

 

 

以下は最大層間変形角と最上層剛床のねじれをグラフ化したものです。よくP-Δ効果は最大層間変形角1/100を超えてくると影響が無視できないといわれますが、今回の結果でも最大層間変形角1/100程度であればそれほど影響がない結果となりました。

 

<最大層間変形角1/35まで載荷した場合の最上階剛床のねじれ量>

 

まとめ

論文の通り、確かにRESPによる解析でもねじれが発生することが確認できました。

P-Δ効果の影響であるため、設計において変形を十分に抑えている場合にはそこまで影響がない可能性もありますが、ねじれながら梁の塑性化が発生し、振動を繰り返すことでさらにねじれが増幅していくということも触れられていたので、長周期地震動などの場合には注意が必要かもしれません。

 

 

今回使用したソフト RESP-D


時刻歴応答解析による設計を支援する統合構造計算プログラム

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