免震建物の設計でRESP-Dの導入をご検討いただく方もいらっしゃるかと思います。本記事では、RESP-Dの実際の画面を示しながら、免震建物の解析の設定操作をご案内します。
仮想の免震建物のモデルに対して固有周期を求め内部粘性減衰を設定する、という基本的な操作を、RESP-Dの実際の画面の画像と併せてご紹介します。
減衰指定固有周期について
立体・質点系いずれの振動解析計算条件の設定画面においても、剛性比例型減衰関連パラメータの中に固有周期T1を入力する箇所があります。ここに入力された値は減衰項の比例係数の計算に使用されます。剛性比例減衰を選択した場合、減衰マトリクスCは、
で計算されます。h1は減衰定数で、こちらも同じ画面から入力します。


立体振動解析の設定画面/質点系振動解析の設定画面
減衰設定固有周期を求める
減衰設定固有周期T1は一般的に、免震層を固定したときの1次の固有周期を用います。本記事においては、立体系の固有値解析を行った結果を確認し、その結果を立体系振動解析の設定、質点系解析の設定に使用する場合の操作を紹介します。RESP-Dで固有値解析を実施すると、免震層固定時と免震層設計条件で設定した各変形ケースに対する固有周期、刺激係数、有効質量比が得られます。下図(説明を一部追記)の通り、今回のモデルでは、1次モードがY方向の並進、2次モードがX方向の並進であることがわかります。

固有値解析結果の計算書出力例(抜粋)

固有モード図の出力例(抜粋)
立体振動解析を設定する
T1が減衰項の係数に使われることを踏まえて、振動解析の設定を行います。複数の方向に地震波を入力するケースがある場合や、XY方向に加振をする場合など、目的に合わせて設定していくことになりますが、例えば、X方向加振を検討の主眼に置く場合には、先程のX方向並進1次の固有周期T1=0.242secのモードに着目して、T1=0.242secとして設定するのが一般的です。
立体振動解析の設定画面
設定後、立体振動解析を行うことにより、意図した内部粘性減衰を考慮した応答解析を実施することができます。なお、RESP-Dの設定画面において、初期状態ではT1は0(省略値)となっています。この場合は、使用されている免震部材の剛性K1(ひずみ100%時)を基に固有値解析をして得られた1次固有周期が自動的に採用されます。
上記の設定は、すべての振動解析ケースに対して共通で適用されますが、波形や加振方向が異なる複数の解析ケースに対して減衰の設定を使い分けたい場合には各解析ケースに対する個別の減衰の設定をすることも可能です(下図及び、こちらのマニュアルをご参照ください)。

解析ケースごとに減衰設定を変える場合の設定画面
質点系振動解析を設定する
質点系振動解析計算条件の設定画面においても、減衰指定固有周期T1を入力する箇所があります。質点系の場合には方向別にT1を入力する仕様です。先程の立体固有値解析結果を踏まえ、X方向はT1=0.242sec、Y方向はT1=0.252secと設定します。

質点系振動解析の設定画面
なお、RESP-Dの入力画面ではX方向・Y方向ともT1初期値は0となっています。この場合は、質点系固有値解析の結果が自動で用いられ、免震層が固定された状態での各方向に対する1次固有周期が採用されます。