Q: U型ダンパーを梁が分割されていない位置に配置できますか。

A: 基本的には梁は分割する必要があります。

【基本】
節点に結合されて初めてその位置での応力伝達が生じます。そのためU型ダンパーに力を伝達するためにも、梁を分割する必要があります。また、梁の分割以外にも注意点があります。それは、免震部材のモデル化(応力計算条件)において「せん断力によって発生するモーメントを考慮する」としている場合において、U型ダンパーが取り付く上下節点で回転抵抗ができるかどうかを確認する必要があるという点です。(「せん断力によって発生するモーメントを考慮する」場合はU型ダンパーは剛梁付きマルチシアスプリングモデルでモデル化されます。)
図の例では梁を分割してU型ダンパーを配置しましたが、Y軸回りの回転抵抗が無いため、このままではU型ダンパーが効きません。節点に回転ばねを配置したり、直交部材を配置したり、梁にねじり剛性を考慮したりなど、実際にどのように設計を行うかに合わせて、応力伝達経路を考えた適切なモデル化を行う必要があります。

【応用】
部材への直接的な応力伝達は考慮せず、上下剛床間の応力伝達でU型ダンパーを効かせる場合については、大梁等を分割することなく、部材が取り付いていない節点位置にU型ダンパーを配置するだけで効かせることができます。この場合は計算上剛性を有さない小梁上の節点でも配置可能ということになります。ただし、免震部材のモデル化を「せん断力によって発生するモーメントを考慮する」としている場合には、同様に対策案1のような対策を講じる必要があります。

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