機能紹介

ロングスパンの大梁が存在する建物では、上下動を入力した場合の応答性状を把握する必要があります。このとき、大梁の中間点に質量を分散させた上で解析する必要があり、通常は大梁を分割した上で上下動入力による応答解析を実施する必要があります。RESP-Dでこのような検討を行う場合、軸を追加して節点を追加することなく、分割数を指定すれば解析モデルにおいて自動的に大梁を分割する機能があります。

 

操作方法

操作方法を紹介します。分割したい大梁を選択し、右側のプロパティウィンドウで「大梁自動分割」を「True」に変更し、「大梁自動分割数」を設定するだけです。このとき、分割数は偶数とする必要があります。

 

アニメーションで確認

試しに免震建物で大梁自動分割を行い、上下動応答解析を行ってみました。なお、上下動の応答解析を行う場合、デフォルト設定になっている立体の1次固有周期で剛性比例減衰を設定してしまうと水平1次固有周期に対して減衰を設定することになるため、過剰な減衰を設定してしまいます。上下1次固有周期を算出して剛性比例減衰の固有周期として指定する必要がある点にご注意ください。アニメーションを作成した結果を示します。免震層上下の大梁は分割指定していないため、一本の大梁としてモデル化されていますが、上部の大梁は梁が分割されて上下モードで振動しています。

 

 

注意点

本機能は大梁を解析モデル上分割するだけの機能です。したがって、大梁が塑性化する場合に本機能を用いると、梁要素が分割されることにより材端剛塑性ばねの塑性特性が変化してしまうことになります。線形の上下動解析に用いる場合にはそのような問題は生じませんが、大梁の塑性化が生じうるような解析条件で本機能を用いる場合にはご注意ください

材端剛塑性ばねについては以下の記事が参考になります。

材端剛塑性ばねモデルってなに?

 

今回使用したソフト RESP-D


時刻歴応答解析による設計を支援する統合構造計算プログラム

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